今回は、ホテルや旅館のSNSマーケティング担当者や、これからやっていこうと考えている人向けの記事となります。
弊社は、ホテル・旅館・地方自治体・道の駅・キャンプ場・コテージなど、多くのジャンルでSNSマーケティングに関わってきた企業です。
多くの企業とSNSマーケをしていく中で、「ほとんどのホテル・旅館では公式アカウント運用を頑張っても意味がない」という結論に辿り着きました。
そして、本当に必要なのは「利用者のSNS投稿を増やすこと」であると確信しております。
ここからはなぜ公式アカウントの意味がないのか、なぜ利用者の投稿が大切なのかを解説していきます。
目次
ホテル・旅館の公式SNS運用は意味なし?3つの嘘を解説
なぜホテル・旅館の公式運用が多くの施設で意味がないのか、下記の3つの嘘について説明しながら解説していきます。
- SNSで検索されるから、SNSをやったほうがいいという嘘
- SNSは頑張れば誰でもできるという嘘
- 相互コミュニケーションが生じるという嘘
※.公式アカウントもないよりはあった方がいいとは思われます。ただ限られた時間を割いてまで頑張る必要がないという意味です。
嘘①SNSで検索されるからSNSをやったほうがいい
みなさんも一度は、「今の若い人はSNSでホテルや旅館を検索する」「だからSNSをやったほうがいい」と聞いたことがあると思います。
たしかに今多くの人が、ホテルや旅館を決める際にSNSを確認します(私もします)。
ただ、「だからSNSで公式アカウントを作って運用すべき」という部分は間違っています。
SNSで見られるのは利用者の投稿
SNSでホテルや旅館が検索されるとき、一般の人は過去の利用者の投稿を見ています。
なぜなら、SNSは予約をする前に、「過去の利用者が本音でどう評価しているか?」を知るためのメディアだからです。
OTAや公式と違い、SNSでは本音が書かれている(と思われている)理由は下記が挙げられます。
- インセンティブがないので、わざわざ嘘を付かない(5つ星で次回値引きとかがない)
- 投稿者の過去の投稿から、人となりまで分かるのでOTAの口コミと違い本物である保証がある
- 顔出しで投稿しているので、リアリティーがある
SNSの投稿はリアルなので、OTAや公式で書かれている情報が、本当か答え合わせをしているともいえます。
そんな「一般の人が利用して何て言っているのか?」を知りたい人が、ホテル・旅館の公式アカウントを見ることはありません。
“最近の若い人は”SNSで検索する、と言われますが、若者だけがSNSで次の旅行先を決めているわけではありません。
下記が弊社の旅行系メディアの投稿を見ている人の年齢分布です。
- 35〜44歳(37.3%)
- 25〜34歳(30.5%)
- 45〜54歳(20.9%)
- 55〜64歳(5.4%)
見て分かるように、45歳以上で25%以上、35歳以上で62%以上を占めています。
「今の若い人は…」の部分もほぼ嘘で、「今の人は」と言った方が現状を表せてますね。
公式アカウントでなく一般の人の投稿が重要
整理すると、旅館・ホテルを決める前に、たしかにSNS検索はされます。
ただし、公式アカウントの情報はほぼ見られません。
そのため「今の人はSNSでホテルや旅館を検索する」「だから利用者のポジティブなSNS投稿を増やしていこう」、これが正しい考え方です。
嘘②SNSは頑張れば誰でもできる
ネットなどでよく、ホテル・旅館でも、SNSは誰でもできるからやってみましょうと推奨されているのを見ます。
それも嘘で、SNS運用は誰にでもできるものではありません。
利益に繋がるレベルを求めると「時間があって」「才能か経験がある人」にしかできないと考えていいです。
そもそもSNSの運用代行の相場は、30万円/月が目安になります。
(評判がいい投稿を分析して、投稿となると50万円/月以上かかります。)
参考: ランサーズ
間違いなく、1人専用に雇う費用かつ、専用のスキルが求められるといえます。
それを、空いた時間で、よく分からないけどとりあえず始めてみよう(誰かにやらせてみよう)としても効果は出ません。
やるのであればプロを雇うか、本腰を入れて時間をかけてやる、どちらかが必要です。
嘘③見込み客やファンとコミュニケーションを取れる
よく、「SNSはHPと違い、相互コミュニケーションが取れる」と言われています。
これも多くの場合嘘であり、99%の旅館・ホテルの公式SNSでは、相互コミュニケーションは発生しません。
SNSで予約のための会話なんてしない
旅館やホテルのアカウントのコメント欄で、「予約につながるような会話がされている」ことを見たことがあるでしょうか。
- この投稿の部屋に、来週日曜日に行きたいのですが空いてますか?
- この料理美味しそうですね。再来週土曜に空いていますか?
このような会話を弊社ではこれまで見たことがありません。
(そもそもこんな会話は、公の場で行われませんね。)
仮にDMでこのようなメッセージが来るとして、それは本当に嬉しいでしょうか?
電話をしてくれればいいですし、予約までの余計な手間が(双方に)増えているとしか思えません。
逆にクレームやホテル・旅館への営業の窓口としては最適で、その意味ではコミュニケーションが取れるのかもです。
ファンはそもそもフォローしてくれもしない
ホテルや旅館に滞在し気に入ってくれていたとしても、公式アカウントはめったにフォローされません。
弊社の調査では、ある施設を訪れ高評価のSNS投稿をしてくれている人の88%が、その施設の公式アカウントをフォローしていませんでした。
※. オーガニックレビューは「高評価のSNS投稿」を意味します。
※. 弊社調査資料のため、一部情報を隠しております。
この施設では、57人が施設利用後に、「ここよかった〜」と高評価の投稿をしておりました。
一方でその中で公式アカウントをフォローしていたのは、わずか6名であり、88%は公式アカウントをフォローしていないという結果が出ております。
たまたま行ったホテルや旅館がよかったからといって、公式アカウントをフォローしようとはならないのです。
みなさんも気に入った施設や商品があっても、公式SNSをフォローしようなんてならないですよね。
公式SNSで本当に効果がある事例
ここまでホテルや旅館の公式SNS運用をしても効果がないと言ってきましたが、下記のようなケースはとても意味があると思われます。
- 世界観ばっちりに仕上げファンを獲得しているケース
- バズるようなコンテンツを常に発信しているケース
- お得な情報を常に流しているケース
世界観ばっちりに仕上げファンを獲得しているケース
バズるようなコンテンツを常に発信しているケース
鳥羽ビューホテル花真珠 では、見ていて楽しいコンテンツを常に発信し続けています。
くつろいでSNSを見ている時に、企業感なく自然に入り込めるとても、素晴らしいコンテンツだと思います。
何度か投稿を見て、「この人たちなんかよく見るな」「面白いな」と思われ、ホテル・旅館の名前を知られると言った戦略です。
従業員の顔やキャラクターを知っているホテル・旅館は、親しみ度が上がるので、次に旅行に行くときはここにしようかなと思われやすいです。
全社員一丸で、取り組まれている素晴らしいSNSアカウントだと考えます。
割引情報を常に流しているケース
アパホテルのInstagramでは、常にお得な情報が発信されています。
常にお得な情報が手に入るので、多くの人がフォローしています。
アカウントの目的も非常に洗練されており、「お得な情報を流し次回の予約につなげる」に限定しています。
知名度があるのでSNSでバズる必要も、SNSで改めて世界観を作る必要もありません。
SNSで相互コミュニケーションを…など考えてもいないと思います。
本当にすべきは一般の人の投稿を増やして活用すること
ここまでで多くのホテル・旅館で、SNS公式アカウントを運用していくメリットが、とても小さいことに気づかれたと思います。
またもしやるのであれば、プロを入れるなど徹底的に時間とお金をかけて、実施していく必要があることも提示いたしました。
上記を踏まえ、弊社では、多くのホテル・旅館のSNSマーケは「利用者のプラスの投稿を増やす」ことから始めるべきと考えます。
一般の人の投稿が増えるのはいいことだらけ
SNSで一般の人の投稿が増えると、多くのメリットがあります。
- 画像・動画付きの超リアルでポジティブな口コミが増える
- 投稿者のフォロワーにホテル・旅館を認知させられる
- 自分たちで投稿をする手間がない
画像・動画付きでポジティブな投稿がされれば、予約につながる口コミがSNSで増えていきます。
また1アカウントに対して平均して500フォロワーがいると言われいます。
そのため、利用者がSNSに1投稿をしてくれると、平均で500人にみなさんのホテルや旅館が知ってもらえます。
さらに利用者の投稿は、自分たちで時間をかけて投稿を作る必要がありません。
「次はどんな投稿にしよう」「写真を撮って」「投稿文章を考えて」といった手間が省けます。
SNSでの投稿が増えてしまうと、マイナスの評価がされないか心配される方がいます。
これまで多くの施設の投稿を見てきましたが、99%ポジティブなことしか書かれません。
ネガティブな意見も「露天風呂に虫がいた」といったものがごく少数ある程度です。
(露天風呂に虫が入るのはあたりまえなので、見ている人もネガティブに取りません。)
SNSといってもいくつかありますが、ホテル・旅館は基本的にInstagramで検索され、投稿されます。
Instagramはきらびやかな自慢の世界なので、プラスのことしか書かれません。
「私はこんなにいいホテルや旅館に泊まってるんだよ」という投稿が主で、その世界観で嫌だったことはほぼ書かれません。
Instagramは拡散能力もないので、基本炎上しないのも企業としてはGoodポイントです。
どうやって一般の人の投稿を増やすのか?
利用者のInstagram投稿を増やすために、一番効果的なのは「投稿したくなるもの・場所・こと」を作ってあげることです。
これまで数多くのホテル・旅館の利用者投稿を見ていると、下記のような共通点があります。
- 場所: 入り口の写真が撮られやすいです。外から建物を見て、玄関を写真に収めたいと思わせられれば投稿されやすいです
- もの: 料理が圧倒的に多く投稿されます。小さくて可愛い料理などはとても相性がいいです。
- こと: スタッフの接客がよいと投稿されやすいです。皆さんいい接客には、口コミで答えてあげたいと思ってくれます。
特に接客がいいと、「ここを応援したい」と思われ、Instagramで投稿されやすい傾向があります。
旅アトリーチを使うと投稿が増える
弊社サービスである「旅アトリーチ」は、皆さんのホテル・旅館のSNS投稿を増やすことができます。
旅アトリーチは、Instagramで皆さんのホテル・旅館に関する利用者の投稿を公式HPで掲載できるサービスです。
【芦ノ湖キャンプ村様の例】
公式HPでInstagram投稿を掲載することで、利用者目線でのホテル・旅館の良さをアピールできるので直予約率が上がります。
加えて、「自分も公式HPに投稿を掲載してほしい!」という人が、Instagramで投稿をしてくれるようになります。
これまで多くの施設様で、旅アトリーチ導入後、非常に多くの利用者様が投稿をしてくれるようになりました。
前年同月との比較して、4.6倍〜17.4倍もの効果が出ております。
まずはこちらからご連絡ください。
ホテル・旅館のSNSマーケティングで本当に必要なことを見極めよう
多くのホテル・旅館では、公式アカウントを作って運用しても、予約が増えると言った効果は望めません。
それは、根本的にSNSで見られているのは、口コミとしての利用者の投稿であり、公式アカウントではないからです。
公式アカウントが全く意味がないというわけではありませんが、その努力を半分でも「利用者の投稿を増やす方向」に向けられると、利益向上に向かっていきます。
ネットや世間で言われている嘘を見極め、SNS施策を行っていただけると嬉しいです。
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